2013年3月アーカイブ

 四季の森には都会の喧騒から離れて、それこそ非日常のやるだけで心が洗われる作業がいくつかあります。 順不動で職人の技を含め記録しておきます。

 カラマツの伐採

 普通には木の伐採です。山小屋ができた頃は木々も低木で、カラマツ、白樺、ヤマザクラ、我が家で通称アスペン(木の名前が分かりません。葉がアスペン風で、風にひらひら葉だけが揺れ、秋には黄色く色ずくのでそう呼んでいます)などがありました。 初めのころは白樺やモミの木、紅葉など植林もして、早く大きく育って木々に囲まれた雰囲気を夢見ていましたが、とんでもないことでした。


 成長するに従い、まず屋根にかかり、小屋やベランダが青カビだらけになってきます。空がだんだん少なくなりました。 星空も狭い範囲でしか見えません。このままでは明らかに過埴で小屋は朽ち果てていく流れです。 木は日当たりがあると次々に新たに生えてきます。


 中でもカラマツの上への成長は目を見張るものがあります。これは順次伐採すべしと決めました。年1本のペースです。 ライフワークみたいなもんです。
 直径40センチの高さ20メートルなんなんとするカラマツは、見上げると巨木です。これを切り倒すにはどうするか。


 切り倒す方向を定めます。この時できるだけ山側に寝かせるように倒すようにします。
 方向が決まったら木に梯子をかけ出来るだけ高い所に十分に長いロープをかけ倒す方向に引っ張るようにします。私はこの時3つの滑車を使って4倍の力で引っ張れるようにしています。


 倒す側の木の根元をチェーンソウでくさび状に切り込みを入れておきます。できるだけ正確に方向と直角に切り込みを入れます。今度は幹の反対側を切っていきます。この時も倒れる方向ができるだけ正確になるように慎重に切り込みを入れていきます。かなり切り込んでもカラマツはビクともしませんが、ある程度入れたところで、先ほどのロープを引き、かなり伸長したところで適当な木に固定しカラマツに力がかかるようにしておきます。

 カラマツの根元に戻って、慎重に徐々に切り込みを進めます。木が少し傾く気配が感じられたら後は先ほどのロープをカラマツの木よりも遠い位置から、少しずつ力を入れていくと、ある時はいっきに倒れます。またある時は再度幹の切り込みを少しだけ入れると大木は倒れていきます。 このあたりは慎重には慎重に細心の注意を払って、移動するときもカラマツの倒れる可能性のある広範囲の所を避け、カラマツから目を離さずに敢えて遠回りします。木の曲がりや傾き、風向きでいつ何時どんな方向に倒れるか分かりません。
 先端部分が目標から左右5メートル以内であれば大成功です。
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 伐採後の処理
 これも結構処理に時間がかかります。
 枝落とし、枝の整理処分、幹を適当な長さに木切ってしかるべきところに動かして整理しておくなどです。 切り倒したばかりの幹は何と重いことか。見た目よりもはるかに重い。
 ここでは2メートルぐらいに切って移動し整頓しておきます。この時も太めのところはコロのようなものの助けを得て転がすか、片方を持ち上げ倒しながら移動させます。
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 最後の儀式
 切り株周辺に塩をまき、切り株にお神酒をかけ、樹齢の期間私たちに恵みを与えてくれたことに感謝の念をもって頭を垂れます。
 その日の晩酌も感謝の念をもってありがたくほろ酔いとなります。

 
 翌日切り倒したあたりに行ってみると、明るいんですね。 空が開け日の当たるところがいっきに広くなっています。 翌年から徐々に新たな下草や木々の芽が出だします。