アイソン彗星の最近のブログ記事

 そろそろアイソン彗星を見る準備に取り掛かろう。

1.白昼撮影の準備

 数年前に佐久市の天文台で、60センチ径の天体望遠鏡で、白昼、しかも12時前後、太陽からそれほど離れてない天体、金星と織姫を見せて頂いた。 白昼でも見えるんですね。 この記憶を頼りに、白昼のアイソン大接近の時にカメラには写せるんではないかと、勝手に考えた。

 金星はマイナス4.5等星、ベガは0.03等星。 これが見えたんだから、アイソンが太陽に接近時マイナス等級まで行くのであれば可能性はありそう。

 そこで太陽に向けたカメラに太陽が入らない方法は建物の影を利用したりといろいろありそうなんですが、今回はレンズキャップとかビンのキャップみたいなのを使って太陽を隠す実験をした。

 用意するもの: レンズキャップあるいはそのような丸い円盤、割り箸。 割り箸の先にセロテープで円盤を取り付けて、よく縁日かなんかで売っている割り箸に付けた板飴みたいなものにします。 これをかざして太陽が写りこまないようにするんです。

 太陽が写りこまないようにする撮影の方法: 予めオートフォーカスで無限遠を出して、そのままマニュアルフォーカスにして置きます。 太陽を背にしてカメラを太陽方面や撮影方面に向けます。 目やカメラを傷めるのでファインダーやライブビューを使いません。 カメラレンズがボディに写る影を見て太陽方面を割り出します。 カメラレンズから1-2m離れて円盤をかざして、円盤の影が完全にカメラレンズにかかるようにして、リモートシャッターでシャッターを切ります。  

 試に写してみると、見事、太陽の所だけが隠れていました (・_・;) ヘマをするとカメラが台無しになるので、手に汗を握りますね。

cameratest.jpg  影がぼやけて薄くならない所だけでレンズが隠れるようにしましょう。 このやり方の最大の特徴は、太陽を全く見ないで、太陽を背にして全ての作業ができることですね。 しかも費用ゼロで (^_^)

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2.白昼撮影のタイミングなど

 11月末は沖縄にいるので、沖縄での撮影タイミングを探ってみた。

 マイナス等級になるのは11月28日からなので、念の為、11月27日からの、日の出時刻、日の出方位、アイソンの太陽からの離角、アイソン等級を調べてみた。

 日の出時刻は大体6:47頃、方位は東から西方面へ23度ぐらい。 この時刻までに待機していればよい。

 27日のアイソン: 日の出時の離角は7度右上あたり。 腕を伸ばしてげんこつひとつ分ぐらい離れている。 夕刻まで同じような位置で、太陽の進む方向の先を言ってる感じで、明るさは0.8等から夕刻は0.2等くらい。 まだ暗いので日の出直前以外はカメラには写らないだろうと思う。

 28日のアイソン: 日の出時の離角は5度右上あたりにまで縮まって、太陽の進む方向の先にある。 明るさは-1.0から-2.3等まで夕刻になるに従い増してくので、写るかもしれない。

 29日のアイソン: 日の出までには太陽を回っていて、太陽の左すぐ近く、離角で2度ぐらい。 腕を伸ばして人差し指と中指を着けてかざしたぐらいの近さ。 夕刻にはこれが4度ぐらいまで離れる。 日中は大体太陽より高い位置にある感じ。 明るさは日の出時には-4.9等から夕刻には-2.1等まで落ちるが、夕刻にはわずかだが太陽より左上の位置になってるので可能性は十分ありそう。

 30日のアイソン: 日の出時の離角は太陽の左上5度ぐらいから夕刻には7度ぐらいまで離れる。 日中は太陽の外を大回りする感じ。 明るさは-0.4度から夕刻には0.3度ぐらいまで暗くなっていく。

 ということで、29日が可能性が一番高く、次が28日の夕刻にかけてということに相成りました。

3.絞り、ISO、シャッターなど

 金星を撮ってみたところ、f/8.0 ISO=400 tv=1/1000 で、都心の午後の太陽が傾いた時ですが、薄っすらと写った。 

 白昼では太陽から離れたところは、まだ青空に写っていて、済んだところでは太陽の近くまで青空かもしれない。 このあたりで条件を変えて撮ってみることになりそう。

 後の画像処理を考えてRAWで撮ることにする。

 この条件で白昼太陽近辺を写してみると、かなり真っ白 (-_-;)  一段絞って辛うじてうっすらと青空が見える程度、なんか写りそうにない感じになってきた。 

顛末記

 11月29日、沖縄にいました。そこで雲の多い一日でしたが、合間を縫って、準備に従って撮影を試みました。 全く写りませんでした(*_*;。 それもそのはず、この日の未明に、太陽に最接近した時に分解消滅してたんですから見えるはずありません。 皆様、ご苦労様でした。 こういうこともあるんですね。