2013年11月アーカイブ

 超都心の夜空から宝探しをしてみよう。 あれい星雲がカメラに映るのか?

 2013年11月20日 西の夜空に向けて、わし座のα星のアルタイルと白鳥座の口ばしアルビレオの間を55㎜レンズで撮った。 そこはや座という小さな星座が矢じりを上に向けてあるんですが、矢じりの辺りから白鳥座方面に向かうと、白鳥座から見てWの字に見える5等星の並びがあって、その真ん中の星のすぐ近く、や座側にあれい星雲M27があるはずなんです。

 カメラに画像を収めてあれい星雲まで辿ってみた。 撮影はEOSkissX4 55ミリレンズでISO400 10秒 50枚です。

20131120-arrow-tcmod1.jpg 丸印のその場所を拡大すると、

20131120-arrowtr2mod2.jpg 影だけです (・_・;) ですが、影は映ってます。

 見えない夜空に望遠レンズを向けるのはさすがに無理というもの。 55㎜で妥協してアルタイルを画面右下に据えて撮ります。 あとは拡大して見るしかない。

 闇夜のかげろうのようにしか写らないで、面白くもなんともない。

 超都心からアンドロメダ銀河がどこまで見えるか、ベランダは西向きなので冬場が観察や撮影のタイミングです。 新月になる年末年始が絶好の機会です。

1.2013年11月20日、満月から2日後の月夜ですが、23時過ぎあたりに手始めに、アンドロメダを狙ってみた。

 都心ですから、四辺形の星が目を凝らして、辛うじて見える程度です。 西向きのベランダのひさしから、ベガススのマルカブが降りてきて、順次シェアト、アルゲニブ、そしてアンドロメダのアルフェラッツが現れてきます。

 アンドロメダ銀河は、10倍x28㎜Φ の双眼鏡を使って、アルフェラッツからミラクにたどり、そこから右へアンドロメダ銀河までたどるルートで見つけます。 

  アルフェラッツは秋の四辺形のひとつで、この時刻では西の空の天頂側にありアンドロメダ座の2等星のα星です。 ここから上に辿って、やはり2等星のβ星 ミラクに辿ります。 超都心ではこの二つが辛うじて見えます。 後は双眼鏡の力を借りてミラク→μ星→ν星→アンドロメダ銀河と辿ります。かすかな何か影のようなものが感じ られたら、それがアンドロメダ銀河です。 ただし、どこにあるか分かってないと、都心からはまず見えません ((+_+)) 

 ステラナビv9によると、55㎜レンズでアルフェラッツを画面左下に据えると、アンドロメダ銀河が入ることが分かります。

 写りました! 一コマあたりの露出時間を13秒にしましたがもう一段程度は長く出来そうでしたが、これで50枚ものコマをDeepSkyStaker、DigitalPhotoProfessionaで強調したものです。 

20131121-andromeda-tcmod1.jpg  2013年11月20日23:01より、超都心マンションベランダで撮影 ナノトラッカー、EOSKissX4新改造、EFS18-55mmの55㎜側で、f=5.6、iso400、露出13s 50コマをDeepSkyStacker、 ダーク画像使用。 DPPでトーンカーブ補正。

 アンドロメダ銀河の所を切り出してみたのがこの画像です。

20131121-andromeda-tctr.jpg なんとなく斜めに伸びた広がりが感じられ、右下の辺り、これもかすかに暗黒の筋があるように見えます。 山奥では画面いっぱいに広がるはずなんですが、今日はこれが限界です。

 年末年始にかけては、排気ガスの曇りがはれ、都心の光もかなり落とされ、新月となり、今日よりも3段階ぐらい改善した画像が得られるかもしれない。 それにCCDカメラを加えるとかなり期待できそうかな。

 今日は小手調べで、単に、「影が写った」レベルでした。 

250mmレンズで照準を合わせるには

 都心のアンドロメダは全く目視出来ない。 辛うじてミラクが確認できる。こんなところで250mm(55-250mmズームレンズの場合)照準を合わせるにはどうしたらよいか。 双眼鏡を頼りに何度もやってみたが、この方法はギブアップ。 少しでも見える感じなら何とかなるんだが、、

 工夫してたどり着いた方法は、初め55mmでミラクを頼りに画面に入れ、中央に微調したのち、250mmにズームする。 この時、合焦はすぐ近くのνニュー星(青い星)をライブビューで行う。 合焦の後、微調で構図を整える。 こんなところでどうだろうか。

2014年1月4日 250mmレンズで再挑戦

 55mmでトリミングではなく、250mmで撮ってみた。 条件はやや良く、f/5.6、iso1600、露出8秒 で11月20日より良い。 が、30コマなので同じかな。

20140104-andromeda-dstc.jpg 大して違いは無いですね。 右側の伴銀河M110はこちらの方が出ています。

 参考までに、カラーCCDカメラで撮ったやつを載せておきます。 比較のために、同じ程度の画角に切り取ってみたんですが、荒っぽく、フラットの補正もなく、元画像は機材部品不適合でレンズのケラレも出て見られたもんじゃない。 30秒X30コマの積算で900秒と、より長く露出に耐えて、より浮き出ていることだけは分かりました。

M31t&a30x30tr.jpg

 CCDの方はまだ未熟なのでこんなところまでしかできません。 

 このあたりが都心での限界ですかね。

 そろそろアイソン彗星を見る準備に取り掛かろう。

1.白昼撮影の準備

 数年前に佐久市の天文台で、60センチ径の天体望遠鏡で、白昼、しかも12時前後、太陽からそれほど離れてない天体、金星と織姫を見せて頂いた。 白昼でも見えるんですね。 この記憶を頼りに、白昼のアイソン大接近の時にカメラには写せるんではないかと、勝手に考えた。

 金星はマイナス4.5等星、ベガは0.03等星。 これが見えたんだから、アイソンが太陽に接近時マイナス等級まで行くのであれば可能性はありそう。

 そこで太陽に向けたカメラに太陽が入らない方法は建物の影を利用したりといろいろありそうなんですが、今回はレンズキャップとかビンのキャップみたいなのを使って太陽を隠す実験をした。

 用意するもの: レンズキャップあるいはそのような丸い円盤、割り箸。 割り箸の先にセロテープで円盤を取り付けて、よく縁日かなんかで売っている割り箸に付けた板飴みたいなものにします。 これをかざして太陽が写りこまないようにするんです。

 太陽が写りこまないようにする撮影の方法: 予めオートフォーカスで無限遠を出して、そのままマニュアルフォーカスにして置きます。 太陽を背にしてカメラを太陽方面や撮影方面に向けます。 目やカメラを傷めるのでファインダーやライブビューを使いません。 カメラレンズがボディに写る影を見て太陽方面を割り出します。 カメラレンズから1-2m離れて円盤をかざして、円盤の影が完全にカメラレンズにかかるようにして、リモートシャッターでシャッターを切ります。  

 試に写してみると、見事、太陽の所だけが隠れていました (・_・;) ヘマをするとカメラが台無しになるので、手に汗を握りますね。

cameratest.jpg  影がぼやけて薄くならない所だけでレンズが隠れるようにしましょう。 このやり方の最大の特徴は、太陽を全く見ないで、太陽を背にして全ての作業ができることですね。 しかも費用ゼロで (^_^)

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2.白昼撮影のタイミングなど

 11月末は沖縄にいるので、沖縄での撮影タイミングを探ってみた。

 マイナス等級になるのは11月28日からなので、念の為、11月27日からの、日の出時刻、日の出方位、アイソンの太陽からの離角、アイソン等級を調べてみた。

 日の出時刻は大体6:47頃、方位は東から西方面へ23度ぐらい。 この時刻までに待機していればよい。

 27日のアイソン: 日の出時の離角は7度右上あたり。 腕を伸ばしてげんこつひとつ分ぐらい離れている。 夕刻まで同じような位置で、太陽の進む方向の先を言ってる感じで、明るさは0.8等から夕刻は0.2等くらい。 まだ暗いので日の出直前以外はカメラには写らないだろうと思う。

 28日のアイソン: 日の出時の離角は5度右上あたりにまで縮まって、太陽の進む方向の先にある。 明るさは-1.0から-2.3等まで夕刻になるに従い増してくので、写るかもしれない。

 29日のアイソン: 日の出までには太陽を回っていて、太陽の左すぐ近く、離角で2度ぐらい。 腕を伸ばして人差し指と中指を着けてかざしたぐらいの近さ。 夕刻にはこれが4度ぐらいまで離れる。 日中は大体太陽より高い位置にある感じ。 明るさは日の出時には-4.9等から夕刻には-2.1等まで落ちるが、夕刻にはわずかだが太陽より左上の位置になってるので可能性は十分ありそう。

 30日のアイソン: 日の出時の離角は太陽の左上5度ぐらいから夕刻には7度ぐらいまで離れる。 日中は太陽の外を大回りする感じ。 明るさは-0.4度から夕刻には0.3度ぐらいまで暗くなっていく。

 ということで、29日が可能性が一番高く、次が28日の夕刻にかけてということに相成りました。

3.絞り、ISO、シャッターなど

 金星を撮ってみたところ、f/8.0 ISO=400 tv=1/1000 で、都心の午後の太陽が傾いた時ですが、薄っすらと写った。 

 白昼では太陽から離れたところは、まだ青空に写っていて、済んだところでは太陽の近くまで青空かもしれない。 このあたりで条件を変えて撮ってみることになりそう。

 後の画像処理を考えてRAWで撮ることにする。

 この条件で白昼太陽近辺を写してみると、かなり真っ白 (-_-;)  一段絞って辛うじてうっすらと青空が見える程度、なんか写りそうにない感じになってきた。 

顛末記

 11月29日、沖縄にいました。そこで雲の多い一日でしたが、合間を縫って、準備に従って撮影を試みました。 全く写りませんでした(*_*;。 それもそのはず、この日の未明に、太陽に最接近した時に分解消滅してたんですから見えるはずありません。 皆様、ご苦労様でした。 こういうこともあるんですね。