2012年11月アーカイブ

 2012年10月に撮った星空の写真の中から、系外銀河3点をDeepSkyStackerした。

 系外銀河は無改造デジカメで期待できそうです。初めはM33アンドロメダ銀河はでかすぎてカメラに収まりきれない。そこで向かいのM33。渦を巻いていて迫力がありそう。EOSKissX4にどのように映るか。視直径を見てみると73'x45'、EOSKissX4の画面は22.3x14.9mm。反射鏡の焦点距離は1200mmだから、

 atan(22.3/1200)=63' atan(14.9/1200)=42'  計算はWEBの中で提供しているのを使わせて頂きましたが、あとで見たらパソコンの関数電卓にもINVというボタンがあってこれを押したら出てきました。

 画面いっぱいに広がる計算です。計算通りバランスよく写りました。

n33-20121016-1psds.jpg iso-6400 露出60sec 9枚を使用してDeepSkyStackerしました。2012年10月17日0時17分から27分の撮影です。

 次はNGC891です。銀河を真横から見えるので興味がそそられます。

n891-20121014-1psds-p21.jpg 2012年10月17日1時18分から28分にかけての撮影です。iso-6400 露出60sec 10枚を使用してDeepSkyStackerしました。

 最後はNGC7331です。

n7331-20121016-1psds.jpg 2012年10月16日22時29分から40分にかけての撮影です。iso-6400 露出60sec 11枚を使用してDeepSkyStackerしました。少しいびつに見えます。小さくしか映らないので大したことはありませんが、よく見ると近くに小さく写る銀河がいくつか写っていました。NGC7331を中心とした銀河団ということらしいです。

 他の画像を見せて頂くと画面外にも結構見ごたえのある集団があるようです。

 以上3点とも下が北(北極星方面)です。カメラの設置と撮影方向からこうなっています。

 

備忘録

EOSKissX4の直焦撮影できる視直径 63' x 42'

M33=NGC598  さんかく座銀河 さんかく座 アンドロメダ銀河からアンドロメダ姫の反対側にある。アンドロメダ銀河と天の川が合体した頃にこの銀河も衝突する可能性があるらしい。

NGC891 アンドロメダ座 アンドロメダ姫の左足の先にある真横から見る銀河

NGC7331 ペガスス座

 無改造EOSKissX4でどこまで写せるか。

  2012年10月の新月に散光星雲NGC7023 IC5146 NGC281 と小あれい星雲 M76を写してみた。

 無改造EOSKissX4で撮った散光星雲の画像は無改造カメラの限界そのもの。何か写ってるから撮ってみて、無理に画像処理したら何か出たといったところか。これら拙作はこの程度しか写らないという参考資料です。画像処理は、DigitalPhotoProfessionalのピクチャースタイルでバックグランドを暗くした後で、DeepSkyStackerして、色を強調するようにド素人小細工をしてあります。

 アイリス星雲NGC7023は10月16日は20時ごろ北極星の上に出ます。比較的低い位置から西側に入り、すぐにカラマツに沈むのでタイミングを逃さずに観察します。 

n7023-20121016-1pstcds.jpg

  無改造カメラではこんなところで、なんとなく青く写ります。周辺は星が見えなくなっているので何かあるんでしょうか。

 IC5146まゆ星雲は白鳥座の尾の先のさらに後方にあって、20時頃から北の天頂近くから西側の観測域に入ります。

IC5146-20121016-2psdstc.jpg

 赤く写り、やはり周辺は星が薄く見えなくなっています。

 NGC281はカシオペアのWの北側に出っ張ったあたりにあります。23時頃から観察域に入ります。

n281-20121017-1psds.jpg

 天の川内にありちりばめられた細かい星々の中に比較的浮き出て見えます。星が多いですね。

 小あれい星雲M76はペルセウス座ですが、アンドロメダの右足の先にあります。覗いてみると青く意外ときれいです。

m76-20121017-ftbids-2.jpg

   

備忘録

NGC7023 アイリス星雲(散光星雲) 

IC5146 まゆ星雲(散光星雲)  ハクチョウ座 尾の先にある

NGC281 散光星雲 カシオペア座

M76=NGC650 NGC651  小あれい星雲(惑星状星雲) ペルセウス座

2012年10月の新月を過ぎた17日の夜明け前です。

 オリオン座が南中します。この時は珍しく一晩中快晴が続き冴えわたっていました。冬の星座を先回りしてカメラにおさめてみました。3時50分ごろから撮影域に入りますが、5時には夜が明けるので手際よい段取りが必要です。途中カメラのバッテリー切れで焦りました。初めのワンショットを見ると!、標準カメラでも彩色豊かに映ってるじゃありませんか(^_^;)

 明るさを抑えてiso1600、60秒の露光です。10枚をDeppSkyStackerするとこんなになってしまいました。DPPで背景の暗さを調整してからのjpegでの処理です。

m42-20121017-psds-2.jpg

 彩色はどんなのが本当なのかわかりませんが、あまり気に入っていません。無改造カメラの限界なのでしょうか、解析ソフトをケチっているからなのでしょうか。

 これならワンショットをちょっといじっただけの画像が見た目に自然で落ち着いて、遜色ないように見えます↓。

2012-10 m42 341-1pstc.jpg

 10枚のうちの一枚ですが、たまたま流星が2本上下に流れています。左のは位置から21日がピークと言われているオリオン座流星群の片割れみたいです。右のは流星にしては明るく写りすぎているかな。左下の薄い横に流れる筋は右から左に流れていて60秒で移動した人工衛星です。後でステラナビゲーターで調べたんですが、ここのところが人工衛星の静止軌道なんですね。いろいろ映っていたのでこのショットを選びました。

 DeepSkyStackerしたやつをもっといじくると暗いところをこんなに浮きい立たせることもできますが、こんなになっているとして見ていてください。↓ 広範囲にモヤモヤしているんですね。ほんとに緑っぽいのでしょうか。

m42-20121017-ds-1.jpg

 いずれも星も点に写っていて、頭のあたりの暗黒星雲も見えています。明るくつぶれているところのトラペジウムは露光をグンと抑えて次の機会に挑戦してみよう。

 追記:2012.11.23

 DeepSkyStackerの最新版ベータでRaw画像を使えるようになったので、ダーク10枚、フラット、ダークフラット、バイアスのフレーム各10枚、後処理としてsaturation、Luminance、さらにGIMPFreeの色相彩度輝度調整をフル動員して仕上げてみた↓

m42-20121017-22crdfdsgp.jpg ふたつ前のナマの画像と比べてみて、果たして画像としての魅力が増したのか。ナマ画像を見直すと、我は手間暇かけて何をやっているんだろうかと、キヤノンの写真技術の高さに感銘。

 以上、撮影機材はこちら

備忘録

M42=NGC1976 オリオン大星雲 オリオン座。鳥の頭みたいなところがM43(NGC1983)。羽の下のところが横に静止衛星の軌道になっている。

 2012年10月の星空は、日中は雲ひとつなくても夕刻から雲がどこからともなく集まり、暗くなると霧も加わり不発が続いていた。それでも新月が近づく頃、ひと晩中快晴の夜空が2日ばかりはあった。そこで撮りためてみた画像をDeepSkyStackerしてみた。

 まずは2011年9月に写して、勝手知ったN6992、今年はもっと良い結果が出ることを期待してやってみた。N6992はN6960とともに対みたいになって、白鳥座の南の方の羽のギエナーという星の先にあります。カメラが無改造でも比較的映るみたいです。改造すればこんなもんではないかな?

 RawではうまくいかないのでjpegでDSSした。今回darkの他、flat、dark flat、biasフレームも10枚ずつ用意した。なぜRawでダメなのか、まだ使い方がよく分からない。lightフレームはやや露出オーバぎみ、星の流れ、振動の小さいもの9枚を選んだ。

n6992-20121016-psds-3ft.jpg

2012年10月16日19:56-20:20撮影  撮影地:長野県立科町 ケンコーSE 250N CR 25cm反射鏡 Baader Planetarium MPCCコマコレ使用 EQ6PRO赤道儀 
キヤノンEOS KissX4無改造 
ISO6400 露出60秒のショット9枚をCanon Digital Photo ProfessionalとDeepSkyStackerでスタック画像処理。フラットフレーム使用。彩度を強調。
掲載のため縮小専用で400x266pcに縮小。
カメラの設定と西半球撮影で下が北方面です

 

 初めにキヤノンのDigitalPhotoProfessionalでバックグラウンドの足切りみたいなことをして、背景を暗くしてDSSをかけているためか、フラットが効いていません。

 彩度を上げないと色が出ないので、ピンクとか緑もどうしても不自然な色合いです。やはり湿度が高いせいでしょうか、昨年のよりも色の出方がかなり弱い。これでカメラ改造でどれだけ引き立つのだろうか。無改造でかなり無理しているのがありありですね。

 小さくて分かりずらいですが、かなり荒れている。出来栄えはあまり気に入ってはいません。気に入らないのを出すのも何ですが、プログレスを見ておくということで。

 ここは銀河のど真ん中です。星が実に沢山映っています。星のばらつきも筋がついているのが面白いですね。

 ところで、MT5.2 でフォントサイズを変えるのどうやるのかな?

備忘録

N6992:超新星残骸 網状星雲 白鳥座。 N6960とともに対みたいになっていて、白鳥の南の方の羽のギエナーという星の先の羽の線のすぐ南の近い方。星座線から離れた方がN6960