M31 アンドロメダ銀河の最近のブログ記事

 12月の山での新月時は星空写真の絶好のタイミングです。 ナノトラッカーとEOSKissX4+250㎜ズームレンズでアンドロメダ銀河に挑戦してみました。

 肉眼でもなんとなくアンドロメダ銀河は見えるので、55-250mmズームの望縁側でも、デジカメに着けた割り箸照準でほぼ一度で画面に入ります。 この画角では恒星ν(ニュー)が入るので、これでライブビューで焦点を合わせます。 合わせていて気が付いたんですが、この星青くにじんでるみたいですね。 他で合わせられたらその方がいいようです。

 結果はこんな感じになりました。

20131228-andromeda-250mm-6400-30s-f5.6-ft&bias.jpg2013年12月28日20:41より立科町女神台で撮影 ナノトラッカー EOSKissX4新改造 55-250mmの250mm側 iso3200 25sec f/5.6 で30コマ撮影 dark10コマ 24コマ使用(80%)でdeepskystacker処理 flat biasはiso1600で用意したものを流用

 この手の機材では、全体像が写り、結構いい感じに仕上がっているかなという感じ。 ここで、darkは必須なんですが、250mm f5.6開放となると 生の画像でも周辺減光が見えて、deepskystacker後、諧調調整なんかしていくと丸くくっきりと出てしまうんですね。 それが邪魔をして鮮明な画像が得られません。 flat処理は必須です。 今回は以前撮ったiso1600 250mmのやつを流用して、途中「iso値が違うんでないかい?」と、警告が出たんですが、うまくフラットになったようです。

 明るい40mmレンズで ios1600 30sec f2.8 で同様に撮り処理したのが下の画像です。 

20131228-andromeda-40mm-1600-30s-f2.8-dstc.jpg 星が浮き出るようにやや諧調を強調してあります。 左下は街の明かりのせいですが右の方はカシオペアの辺りの天の川で星が密集しているところです。

 中央アンドロメダ銀河から左上、画像の端に、まぐれで、M33が写っているではありませんか。 アンドロメダ座の星νニュー、μミュー、βミラクと辿って、その先です。 左下の端はα星アルフェラッツです。 いつもはここから上の方へ、αアルフェラッツ→δ→ミラクβと来て右に折れ、→μ→ν→M31と辿っています。

 中央右端の辺りに、カシオペアのα星シェダールが見えます。 ステラナビV9を使って、シェダールの周辺で、α星のすぐ上のNGC281の散光星雲、下方面のNGC7789開散星団と思しきものが認められます。

 このあたり、白鳥座のようには色づいていないようです。

 付録で12月27日に撮ったオリオン座の失敗作(40㎜レンズ)、極軸が甘く星が流れてしまっています。 うまく撮れれば左の木の上のバラ星雲もはっきりしてきて、いい構図だったんですがね。

20131227-orion-40mm-1600-30s-f2.8-dstc.jpg

 超都心からアンドロメダ銀河がどこまで見えるか、ベランダは西向きなので冬場が観察や撮影のタイミングです。 新月になる年末年始が絶好の機会です。

1.2013年11月20日、満月から2日後の月夜ですが、23時過ぎあたりに手始めに、アンドロメダを狙ってみた。

 都心ですから、四辺形の星が目を凝らして、辛うじて見える程度です。 西向きのベランダのひさしから、ベガススのマルカブが降りてきて、順次シェアト、アルゲニブ、そしてアンドロメダのアルフェラッツが現れてきます。

 アンドロメダ銀河は、10倍x28㎜Φ の双眼鏡を使って、アルフェラッツからミラクにたどり、そこから右へアンドロメダ銀河までたどるルートで見つけます。 

  アルフェラッツは秋の四辺形のひとつで、この時刻では西の空の天頂側にありアンドロメダ座の2等星のα星です。 ここから上に辿って、やはり2等星のβ星 ミラクに辿ります。 超都心ではこの二つが辛うじて見えます。 後は双眼鏡の力を借りてミラク→μ星→ν星→アンドロメダ銀河と辿ります。かすかな何か影のようなものが感じ られたら、それがアンドロメダ銀河です。 ただし、どこにあるか分かってないと、都心からはまず見えません ((+_+)) 

 ステラナビv9によると、55㎜レンズでアルフェラッツを画面左下に据えると、アンドロメダ銀河が入ることが分かります。

 写りました! 一コマあたりの露出時間を13秒にしましたがもう一段程度は長く出来そうでしたが、これで50枚ものコマをDeepSkyStaker、DigitalPhotoProfessionaで強調したものです。 

20131121-andromeda-tcmod1.jpg  2013年11月20日23:01より、超都心マンションベランダで撮影 ナノトラッカー、EOSKissX4新改造、EFS18-55mmの55㎜側で、f=5.6、iso400、露出13s 50コマをDeepSkyStacker、 ダーク画像使用。 DPPでトーンカーブ補正。

 アンドロメダ銀河の所を切り出してみたのがこの画像です。

20131121-andromeda-tctr.jpg なんとなく斜めに伸びた広がりが感じられ、右下の辺り、これもかすかに暗黒の筋があるように見えます。 山奥では画面いっぱいに広がるはずなんですが、今日はこれが限界です。

 年末年始にかけては、排気ガスの曇りがはれ、都心の光もかなり落とされ、新月となり、今日よりも3段階ぐらい改善した画像が得られるかもしれない。 それにCCDカメラを加えるとかなり期待できそうかな。

 今日は小手調べで、単に、「影が写った」レベルでした。 

250mmレンズで照準を合わせるには

 都心のアンドロメダは全く目視出来ない。 辛うじてミラクが確認できる。こんなところで250mm(55-250mmズームレンズの場合)照準を合わせるにはどうしたらよいか。 双眼鏡を頼りに何度もやってみたが、この方法はギブアップ。 少しでも見える感じなら何とかなるんだが、、

 工夫してたどり着いた方法は、初め55mmでミラクを頼りに画面に入れ、中央に微調したのち、250mmにズームする。 この時、合焦はすぐ近くのνニュー星(青い星)をライブビューで行う。 合焦の後、微調で構図を整える。 こんなところでどうだろうか。

2014年1月4日 250mmレンズで再挑戦

 55mmでトリミングではなく、250mmで撮ってみた。 条件はやや良く、f/5.6、iso1600、露出8秒 で11月20日より良い。 が、30コマなので同じかな。

20140104-andromeda-dstc.jpg 大して違いは無いですね。 右側の伴銀河M110はこちらの方が出ています。

 参考までに、カラーCCDカメラで撮ったやつを載せておきます。 比較のために、同じ程度の画角に切り取ってみたんですが、荒っぽく、フラットの補正もなく、元画像は機材部品不適合でレンズのケラレも出て見られたもんじゃない。 30秒X30コマの積算で900秒と、より長く露出に耐えて、より浮き出ていることだけは分かりました。

M31t&a30x30tr.jpg

 CCDの方はまだ未熟なのでこんなところまでしかできません。 

 このあたりが都心での限界ですかね。

 9月14日夜が更けて星が出た。日が変わり15日午前2時ごろ、機材を撤収する前にアンドロメダ銀河が天頂を過ぎて西側に入り、観察域に入った。せっかくなのでカメラにおさめてみた。

M31 2012-09-15-2 (8of11frms 60s iso3200).jpg

 ISO3200、露出60秒のフレーム8枚をDeepSkyStackerで処理ました。機材が限られているので、全体が入りませんが、中央の迫力のあるところの感じは映ったのではないかと思います。このくらい明るいと眼視で撮影位置を確認し調整できるのが楽です。


備忘録
M31=NGC224 アンドロメダ銀河 アンドロメダ大星雲 アンドロメダ座 239万光年 直径22-26万光年、秒速122kmで接近している。40億年後に天の川と合体するらしい。