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 現地日時で2017年6月4日未明、マウナケア日の出ツアーに参加し、オニズカで天の川を撮ってきました。 再びナノトラッカーのハワイ島遠征です。

 満月から5日前なのですが、オニズカでの高度調整休憩が3時ごろからで、月没の時刻を過ぎています。 星空観察には絶好のタイミングとなるので、敢えて「日の出」徹夜ツアーの参加です。

 撮影目標を魚眼レンズによる天の川に絞りました。

20170604-maunakea-ds1.jpg2017年6月4日3時30分頃 撮影地:ハワイ島オニズカ、
EOS M5 ナノトラッカー使用 EF8-15mmF4L魚眼レンズ F=11mmで撮影、F4.0、
ISO3200 露出30秒のショット30枚をDeepSkyStackerでスタック画像処理。
外気5度程度

 肉眼での天の川の印象は、よく画像に出てくる褐色がかったようなのは全く感じられず、濁りの無い清楚な白色が印象的で2本に割れた川がよく見えました。

 DeepSkyStackerの結果をほとんどそのままでよく表現できています。

 天頂近くに白鳥座が見え、右にこと座織り姫が、左にわし座彦星が見えます。

 左下隅あたりがいて座で、左下下辺すれすれのひときわ明るい星は土星です。

 右辺中央少し上の明るいのが北極星で、日本から見るより低い位置にありますがよく見えてました。

 上辺は東ですがこの後金星が昇ってきますがまだ見えてません。

 事前にシミュレーションして準備したつもりですが、ダメですね~

 今後のためにしっかりと失策点を書いておきます(*_*;

1.RAW設定をし忘れた。JPEGだけの画像。
2.魚眼ズーム10mmの予定が11mmにずれていた。ズームのことをすっかり忘れた。
3.ダーク画像撮り忘れ。
4.ハワイについてからカメラの日付設定が日本時間のまま。

 ってことでjpeg処理なんで後処理が限られこんな結果に落ち着いていますが、自分の天の川作品の中ではま~ま~かな。

 結果論ですが、6400/30secで十分耐えられるカメラですね。

備忘録: 持参機材一覧
ナノトラッカー、SLIK カーボン724FA三脚、SLIK自由雲台2連+Velbonの雲台、カメラはEOSM5ミラーレス、魚眼レンズEF-8-15mm 1:4 L USM EOSMアダプター付、安物タイマー・リモートシャッター、およびニッケル水素充電池とその充電器。 その他、補助機材として赤色の出るLEDライト(首から下げて結構役立った)

 8月(2016年)に入って、曇り空の多い中、再び西の星空の日周軌跡撮影をしてみた。

  30sec間隔でできる限りの枚数を撮影しました。 できる限りというのは、雲が出てやる気をなくすまでという事です。

 画像重ねソフトはAVSのVideo Editerでできました。 1枚当たりの持続時間を3msecにしたので、1秒間に20コマで目の残像には手ごろかと(*_*; 計算により20コマx30秒=600秒だから、1秒間に10分の日周の動きになりますネ。

 結果はこれ↓ですが、なんか元画像に移ってないノイズが浮き出ているみたいで、どうしたもんだろうか?

 固定撮影で何ができるか、星の日周軌跡を静止画と動画にするには初の試みをしてみた。

 固定撮影は、EOSKissX4新改造(別に新改造でなくてもいいんだが、、)、EF8-15mm魚眼でf=10mm、根元にLeeSoftFilter#3を挿入しキラキラ星を強調してみる。

 過去の経験から、この夜空での撮影条件はF=4.0、ISO=3200で星の流れの目立たない30秒とした。 念のため外気は日没後すぐに3℃ぐらいまで下がる。 撮影間隔は無理せず2分間隔とし、120枚(4時間)。

 まず、DeepSkyStackerを使って比較明合成をしたのがこの画像。

WestSky105framesx2min.jpg 撮り初めに雲が出て、その部分をカットして210分の日周軌跡の星野画像です。 2分に1枚では輝点はつながりませんね。 これが目的であればISO=800で露出110秒、間隔120秒なんてことでいいかな。 周りの木々に少し光を当てるといいかな。

DeepSkyStackerで比較明合成をするには「DeepSkyStackerのページ その1」を、windows10でDSSを使うと最後の画像補正の実行ボタンが完全に見えなくなる問題解決には「DeepSkyStackerのページ その2」を参考にしてください。

 参考までに、1枚目の画像はこれです。 撮影は2015.10.6 20:04~です。

2015-1006-30sF4ISO3200Lee3-3deg (16).jpg 白鳥座、ひこ星、織り姫が輝く西の夜空です。

 この日周運動を動画にしてみた。 うまくはめ込めないんですがなんとか (*_*;

動きがカクカクですね。

(2016.6.27記)
その後日周動画作りに何回かトライしてみて取りあえずのまとめをしておくと:

 画像のコマ送りはスムーズに動かすには網膜の残像を利用して、30コマ//秒以上必要のようです。

 動画の長さは10秒間ぐらいを目標にするとよさそうです。

 星はゆっくりと動かすちょうどよい速さを見つける必要があり、2時間の日周を10秒ぐらいで動かす(早送りする)ことでどうか。

一応の結論:

1.撮影: 24秒―12秒のインターバルで、300カット―600カット、いずれも2時間の撮影。

2.編集: 1コマ 2/60秒(30コマ/秒)ー1/60秒(60コマ/秒) で画像切り替えをする。 

3.カメラ設定: 露出=20秒 ISO=3200 f=5.6 程度  もう1段上げてもよい。 フィルターはソフトフィルターLee3 ぐらい入れる。

          露出=10秒 ISO=3200 f=4.0 程度 同上

4.ミラーを上げっぱなしで撮影する方法を考えておかないとミラーの耐久テストになってしまう。

5.編集ソフト: windows moviemakerでできたけど、windows10 では出来なくなった (T_T)

候補はwondershare filmora。

Samyang14mm 習作 

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 Samyang14mm は機能的には星空撮影にピッタリの機能しかなくて理想的なんですが、世間で言うほどの代物でないようです。 結論からすると:

 F2.8と言ってますが、これで撮ると星の結像がひどく、当レンズでは明るい星は画面のどこでも、右下方向にヒゲガ出たような、よく四隅にコマ収差で見られるような星に写って、とても人に見せられるような画像にはなりません。

 星像でいろいろ試してみたんですが、何とかみられるように使うには、絞りを1.5段絞って、大体F4.8程度の実力のレンズとみておいた方が良いようです。 分厚いレンズを使っていて、やたら重い! 高い買い物をしてしまった(・_・;)

 発光ダイオードを疑似的な点光源と見立ててボケた画像を取ると、こんな風に、光軸がずれたとき見られる特有な、同心円が偏って写ります。

IMG_3658tr.jpg

 中央に写した疑似点光源を拡大して見た画像です。 同心円の中の黒い点はなんで写っているのか分かりません。

 実際の星、この場合は木星を焦点をずらせて取ると、画面中央でも、どの隅でも、右下の方にヒゲガ出たように写ります。

IMG_3576tr.jpg

 このヒゲガ最後まで取れず、明るい星が写っていると右下に広がった星像になっています。

IMG_3638.jpg 2014年4月24日撮影 EOSKissX4 新改造 Samyang14mm  F2.8 ISO1600  60sec ポラリエでトラッキング

 この程度の小さい画像では見えなくていいんですが、よく見ると、明るい星は一様に右下に広がったヒゲガ出て星像を乱しています。

 拡大するとこんなになっています。 画面全体でこのようになっています。

IMG_3638tr.jpg

 以上の実力を知ったうえで、何とかみられる画像にするため、ソフトフィルターを挟んで星をぼかして撮ってこの状態です。

2014-0424-sy14m-leo-cls-lee2- ds.jpg2014年4月24日撮影 EOSKissX4新改造 Samyang14mm  F2.8  ISO3200 60sec   ソフトフィルターLee#2 とCLSフィルター使用 
10枚をDeepSkyStacker  Flat処理などなし

 中央下のやや右にかに座と、4つの星に囲まれたペルセペ星団がぼやけたように写っています。中央やや左にしし座の星々が見えます。 右下のカラマツに隠れて、ふたご座と木星が沈んでしまってます。 フラット画像を撮ってないので、かなり周辺の減光が激しくなっています。 今回はひどい星像をどお隠すかでフラットどころでなく、用意し忘れしたんですね。

2014-0424-sy14m-leo-cls-lee2- dstr.jpg 同じところを切り出してみて、星像の乱れが目立たなくなったかどうか、かなり疑問ですね。 ソフトフィルターでかなりボケたんですが、deepskystackerで淡い光の所が出てきたんで、明るい星は良くなったんですが、小さな星の方は右下に出る淡いところが浮き出てしまって、そのあたりは拡大するとかえって悪化しています。 

 一番上の同心円の画像をよく見ると、一番外側のリングとそれ以外の内側のリングの偏心の仕方が違うように見えます。 絞りを一段絞ると一番外側の円が消えて、2番目の明るいリングが一番外側になります。 偏心の度合いが減るんですね。 場合によっては、絞り機構の辺りのアライメントの不良か、そのあたりの筒面の不要反射が入り込む不良なのかもしれん。 手持ちのレンズや、キヤノンのショウルームで使わせて頂いたレンズでこんなのはありませんでした。 

 この後の調査で、F2.8を犠牲にして、1.5-2.0段絞ってどうやら見られそうなんで、今度満天の星の時にF4.8まで絞って撮ってみよう。 露出時間が3倍ぐらい必要なんでかなりのスペックダウンです。 

 旅行に持ち出すならナノトラッカーが有利と出ているので、トランクに入れてハワイ島へ行った。 

 極軸合わせが不安だったが、案の定のぞき穴を覗いても北極星は見えなかった。 しかしそれはそれ、カメラの方位合わせも含めて、割り箸方位具の秘策を用意していたので、難なく高精度設置できた。 

 この時期、雲が多く出て撮影日はほんのわずかでしたが、それでも雲間をぬって満足できるレベルの画像が得られた(自分のレベルで)。

 まず所持機材:ナノトラッカー、SLIK カーボン724FA三脚、3軸調整できる雲台Manfrotto モデル410、SLIK 724FAについていた自由雲台、カメラはEOSKissX6i、カメラレンズはEF-S 18-55mm f3.5-5.6 IS II(重量制限でこのひとつで断念)、安物タイマー・リモートシャッター、およびニッケル水素充電池とその充電器。 その他、観測機材として10x28双眼鏡。

 〆て総重量約4.9kg。

 狙い目は目印星座のさそり座からいて座方面と決めていた。初めはさそり座を右に据え、いて座と周辺全体が入る星野、ハワイ島とあってもこの季節、日没後はぐっと低い位置。

2013-0605-sgr-sc-ds1ch.jpg

2013年6月5日22:19より撮影 f=18mm ISO=3200 F5.0 露出30秒を20カット うち16カットをdeepskystacker

 下の方は地平すれすれにかかる流れる雲のため茶色く出ています。 中央右上あたりのサソリの頭と心臓から下にS字カーブを描き、尾のはねたあたりから左にいて座の星々と星雲星団が見えています。 10x28の携帯用双眼鏡で、さそりの尾の跳ね上がったところの星が二つ並んだあたりから、左に向かうとすぐにM6とM7が見え、さらに左(写真では左やや上方面)にM8とやや小さくM21M20が認められました。

 このあたりをレンズの望遠側の55㎜で写してみました。

2013-0605-m20m8m6m7-ds3.jpg

2013年6月5日21:34より撮影 f=55mm ISO=3200 F5.6 露出30秒を40カット うち32カットをdeepskystacker

 左端にまぐれでM17オメガ星雲が半分はみ出して写っているみたいです。 画像を拡大してみると、上に向いている白鳥の姿がありました。 その右に密集した星が広く散らばっていて、中央左に色づいて濃く見えるのがM8、そのすぐ左上にM20とM21、さらにずっと左上にM23が見えます。中央から右に向かうとM6とM7が見えます。

 天の川銀河の中心はM8とM6の中間あたり、画像では中央右やや右上あたりらしいんですが、これまた、まぐれでそのような画角になりました。 狙った分けては無く、後付けの講釈です。

 上の全体の見える画像で、銀河の中心の周りを画面大きく丸く、バルジと称して、中央斜めに走る黒い帯を挟んで、上側と下側に明るく広がっていて、端にいくにしたがって薄くなっていく様子、銀河の形の全体像が分かって来ているので、そうだと思いながら眺めていると、そのように見えてきます。 なんとなく黒い帯の上側よりも下側の方が明るい部分が多く出ているところを見ると、太陽系の位置は黒い円盤上で、少しばかり下側から銀河の中心を見ているんでしょうかね。 どうなんでしょう。

 その他の画像で見られるもの1枚、さそり座アンタレスを中央に撮った画像。

2013-0603-antares-ds1.jpg

2013年6月3日20:27より撮影 f=55mm ISO=3200 F5.6 露出30秒を20カット うち16カットをdeepskystacker

 サソリの心臓あたりに向かって流れる黒い筋が3本見え、不気味です。

 レンズはEF-S 18-55mm f3.5-5.6 IS IIの標準レンズですが、広角側18mmの方も、広角側55mmの方も、いずれの画像も四隅を拡大鏡で見てもコマ収差がほとんどなく、星粒がシャープに写っています。 いいレンズです。

 最後に機材の出で立ち。

nanotracker-poleralignment1.jpg カメラを狙いに定めるのって、意外と難しいんですね。 ストロボの固定金具を利用して割り箸と爪楊枝、ライフルの標的合わせみたいになって、これは55mmまでですが、250mmのレンズでも一発で合わせられる優れもの。 ナノトラッカーの穴にも割り箸が刺さっています。これで結構、感心するぐらい3軸調整雲台で精度がいいんですね。 穴では星が暗くて見えません。

 コントローラーと安物タイマーをぶら下げて設置場所でヒョイと下し、三脚の足と2軸目のギアで水平を取り、1軸と3軸で割り箸のガイドで極軸を合わせ、ナノトラッカーのスイッチを入れて準備完了。 物の5分です。

 あとはカメラの割り箸ガイドで目標を定め撮るだけ。 お手軽ですね~

 オニズカまで行って、仲間が居ればここで一晩撮影すると最高なんですけど、、

備忘録
M6 散開星団 さそり座
M7 散開星団 さそり座 大きく広がって見える
M8 散光星雲 いて座 干潟星雲(ラグーン星雲) カメラ画像は色づいて映る
M17 散光星雲 いて座 オメガ星雲(白鳥星雲)
M20 散光星雲 いて座 三裂星雲
M21 散開星団 いて座 M20のすぐ近く
M23 散開星団 いて座