星空観察機材の我流の設定手順

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(最近の改定 2013年3月)

 備忘録として星空観察機材の我流の設置・設定手順をまとめてみた。

設置・設定のトピックス: 設置環境、星空観測機材、極軸合わせ、極軸の確認、ホームポジション、アライメント、ターゲット星の導入、合焦、撮影までの順序、カメラ設定、リモートタイマーの設定、写真撮影、手じまい


 まず設置環境から。
 設置環境をまとめると
木造ベランダ、従って人の重みで揺れる、重量で沈む。(専用の場所を作りたい)
向き;西側。北極星は木の枝が多少邪魔だが見える。空は西半分、しかも周囲の木々で天頂から概ね45度ぐらいまで。
環境:町から隔離されているので、特別な祭り、花火大会など避ければ良好。

 設定の機材:観測、撮影までの基本設定に使用している機材は次の通り。

   三脚と赤道儀 ケンコー EQ6PRO やたら重たいやつ
   赤道儀コントローラー SYNSCAN v3.27 EQ6PROに付属のもの
   鏡筒 ケンコー SE250N CR f=1200mm R=254mm反射鏡
   アイピース ビクセン 30mm 9mm
   アライメント用 ビクセン Or12.5 Reticle
   デジカメ キヤノン EOSkissX4 新改造 (2013.2デビュー)
   コマコレクター Baader Planetarium  MPCC-VIP 眼視用と撮影用に使えるセット 

 三脚の設置:場所を決めておくことで手順の簡素化をはかる。重量バランスから3脚の一本を北側に変更した(購入時は南側にあった)。 

 極軸合わせ前に:環境に合わせた状態にするため、反射鏡とバランスウェイトを乗せておく。反射鏡はホームポジションではなく赤緯軸(載せている軸)で横に回転させると極軸望遠鏡が開く。

 極軸合わせ仰角と東西方向):短時間に合わせるにはやはり北極星のお世話にならざるを得ない。

 真の北極を北極星で合わせる。観測地点と観測時刻の北極星の回転位置(北極星の南中時を0時とした時角)から、真の北極への軸合わせをする。この赤道儀の極軸望遠鏡は赤道儀のホームポジションの時に北極星の南中時のマークをあわせてある。

 観測地経度は極軸望遠鏡部の円盤を回して白の目盛線に合わせておく。当日は、赤経軸を回転させて、極軸望遠鏡部の円盤スケールの月日を基準線に合わせ、この状態でアルミの赤径リングを下側の目盛で現在時刻に合わせる。 赤経軸を回して赤径リングの時刻の目盛0の位置にもっていき、この状態で北極星を合わせる。 (アルミの赤経リングを時刻0に合わせてから、赤経軸を現在時効まで回転させる場合は、上の目盛を使う) これが結構大変で、毎回マニュアルを見ないと分からない。しかもケンコーのマニュアルはいい加減でなお更混乱する。

 こんなことをしなくても、反射鏡(正確には赤道儀)をできるだけ正確にホームポジションにし、そこを赤経リングの起点(時刻0)として、SynScanで出てくる北極星の時角まで上の目盛で赤経を回転(北極星を軸に反時計回りに時刻を振ってある方の目盛で回転)させるとその位置になる。

 心配であれば、念のため、WEBなんかにある電卓で時角を出したり、極軸望遠鏡をのぞいて、北斗七星とカシオペアがの向きが合ってるかをみる。この状態で極軸望遠鏡を覗いて、Polarisの小さな丸の中に北極星が入るように、赤道儀のメカの位置調整をする。

 メカ位置を合わせた後、ロックをはずして反射鏡をホームポジションに戻す。赤道儀のコントロールはホームポジションから開始しホームポジションで終了する。

 ホームポジション:ところで、このホームポジション、ケンコーのいい加減なマニュアルにはこの肝心なことが書いてなかった。 英文のSynScanのマニュアルの5ページ目に「これがホームポジション」と書いてあった。 SynScanを使ったEQ6Proは、すべてはホームポジションから始めないと事が進まない。ホームポジションとは、極軸望遠鏡を北極に合わせた状態で、主鏡を北に向けバランスをとる錘が真下にきている状態をいう。極軸を合わせた後ホームポジションにしてからアライメントをスタートする。 電源のON OFFはホームポジションでやれ、というのはいいんだが、アライメントをきちんとホームポジションからやらないと、鏡筒はとんでもないとこに向いてしまう。 


 極軸の確認:(余裕があるときに三脚定位置で確認しておく)2013年3月追記
 東西方向:南の空の星が、北(南に向いた正立画面で上)に流れているときは、軸は東にずれている。
 仰角:西の星が、北(西に向いた正立画面で右)に流れているときは、軸が低い方にずれている。


 アライメント:視界が狭いので2starアライメントで我慢する。あらかじめどの星とどの星でアライメントが組み込まれているのか、季節ごとに調べておく。東又は西側の中で、ある程度赤径で離れているところでできるらしい。 極軸合わせがしっかりできていれば、1starアライメントでもかなりの精度で導入できる。
 さらにターゲットの近隣の星で追加アライメント(SynScanのPAEをすることで精度をあげる。

 ターゲット星の導入:5㎜径ガイド鏡 - 30㎜アイピース - 12.5㎜レチクルアイピースで行う。

 合焦:眼視とデジカメの両方で同じ位置で合焦する組み合わせを準備しておく。現有機材では、
デジカメ用に:コマコレクター(ストッパーなし)+Tリング+キヤノンKissX4
眼視用に:付属ケンコー31.7㎜アダプター+ビクセン9㎜アイピース
30㎜アイピースでは約1㎜のずれがある(引き出す)。おもに導入に使用で問題なし。
追い込み用12.5㎜ではさらにずれがあるが、追い込み用として適度の合焦ずれ。

2012-04 eyepieace 003.jpg 左は付属ケンコー31.7㎜アダプター+ビクセン9㎜アイピース、
右はBaarder Planetariumのコマコレクターとキヤノン用Tリング


 デジカメの合焦は1等星またはそれに準ずる星でミラーアップ(ライブビュー+10X拡大)で行う。最大拡大像で副鏡支持バーによる十字の輝線が重なる状態で合わせる。暗い星のときは最大拡大像を拡大鏡で見て合わせる。 十字が見ずらい星のときはライブビューの10Xディスプレイを拡大鏡で星を確認して合わせる。

 撮影までの順序
第1星アライメント - 第2星アライメント - デジカメ合焦 - 追加星アライメント - ターゲットの導入 - 撮影開始
または
第1星アライメント - 第2星アライメント - ターゲットによる追加アライメント - 1等星の導入 -デジカメ合焦 - 再度ターゲットの導入 - 撮影開始

 追加アライメントの仕方(PAE):ターゲットを追い込んで、「ESC」を長押しすると追加アライメントのプロセスに入る。「Recenter」が出て、一応これを確認し「Enter」を押すとここでアライメントされる。

 カメラ設定:(2012年10月追加)
 ISO 3200 状況により下げる。
 露出時間 BULBで120秒ぐらいまで。

 ライブビューをしているとノイズがガンガン増えるらしい。よって、
 ライブビューで合焦するが撮影時は「ライブビューなし」(ミラーアップ なし)、代わりに
 「ミラーアップ撮影 あり」 として、
 シャッタードライブモード 2秒タイマー とする。 こうすると、露出2秒前にミラーアップして撮影開始する。 ミラーの振動でどの程度星が動くか確認しておく。 シャッター振動が治まらないようであれば、10秒タイマーとする。

 画質 jpg最高画質+RAW。RAWで画像処理ができるようになればjpegは不要。
 長時間ノイズ低減 なし。
 高感度ノイズ低減 なし。 (共にスタックすることを前提に)

 リモートタイマーシャッターの設定:(2012年10月追加)
 delay 30秒 概ね10秒でその場を退避する。
 シャッター時間 露出時間+2sec (または10sec)
 繰り返しインターバル シャッター時間+10sec (ノイズが多くなるようであれば30secまで伸ばす。 CMOSの休み時間はこの10sec+ミラーアップ時間となる。)
 繰り返し回数 標準10回。

 写真撮影:その外気でのISO限界値で60秒または120秒で複数枚連続撮影する。ターゲットのもっとも明るい部分が感度飽和を起こしていたら露出時間およびISO値を下げ、撮影枚数を増やす。
 ダークフレームの撮影を忘れないようにする。 出来るだけ10枚セットで撮る。次の導入などやりながら撮ると時間の節約になる。 

 手仕舞い:「UTILITY FUNC」 - 「Park Scope」で鏡筒をホームポジションにして電源スイッチを切る。夜露が付かないようにカバーをする。



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