星空写真のキモ

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 反射鏡で星空観察をし写真を楽しもうとするとき、いくつかの難題に直面する。 これを自分の直感で理論的定量的検証をせずに、あくまでも直感でまとめておく。

 

デジカメのノイズ

キヤノンEOSKissX4では試してみたところ、ISO3200のとき常温で2分ぐらいからノイズがガンガン増える。 ダークフレームノイズの中には決まったパターンのノイズが含まれているらしい。 暗電流ノイズというらしい。 いつも同じ素子のところでノイズが出ている。 さらに露出時間を長くするとその他ホワイトノイズが優勢になり画像ごとにバラバラ。 ホワイトノイズはISO感度の数値X露出時間一定の関係にある。 温度とノイズは指数関係にあるので、ある一定の限界値的なポイントを設定でき、それ以上は指数関数的に増えるので使えない。 低温ほど有利、絶対零度まで下げれば理想。冷却CCDカメラがあるが高価で財政破たんをきたす。

この限界値設定(と、ここでは言っておく)を季節単位で決めておく。 撮影サイトの夏場はISO3200・120秒、春秋は6400・120秒。 露出時間はこれ以外の要因で決められてしまっている。

一定パターンのノイズはこれは引き算で処理できる。フリーソフトDeepSkyStackerの中にあった。

 

もろもろのホワイトノイズ

大気の揺らぎ、カメラのノイズで撮影限界が決まってしまう。 SN比を上げるため加算平均をとるとSN比が上げられる。加算する枚数をnとすると、√nで改善できる。たとえば4枚の画像を重ねるとSNは2倍改善できるのではないか。

これをやってくれるフリーソフトが、これがあるんですね。 惑星用としてRegistax、星雲星団用としてDeepSkyStack。Registaxの方はまだ使いこなせてない。 DeepSkyStackerはなんとか。

 

機械的振動

撮影環境で飛びぬけて大きな要因は床。我がベランダ天文台は木製なので、人が息をするだけで揺れる。 風が吹くと揺れる。 シャッターを切るときのミラーの振動で揺れる。 赤道義のステップモーターの振動は無視できる。 タイマーのディレイとミラーアップ撮影で、人がベランダから退去して撮影する必要がある。 撮影の歩留りが悪いので、枚数は多めにし厳選する。

 

極軸合わせ

北極星が木の枝に隠れる。 高木のカラマツで何とかして枝を切りたい。 木製床では極軸を覗いている時と人が退去した時とで明らかに向いているところがずれる。 観察条件で合わせるため鏡筒とバランスウェイトを搭載した状態で合わせる。

 

センサーの限界の明暗光量の幅(ダイナミックレンジ)

暗い天体の場合は限界設定に近いところでの設定が有効であるが、明るい天体の場合画像素子が飽和する。 センサー自体の限界光量はどのくらいか、明暗のダイナミックレンジはどのくらいか、ともに不明。経験値から決める。  明るい天体の時その後の画像処理系のダイナミックレンジのことを考え余裕をもって抑える。  露出時間を短くするか、ISOを小さくする。 振動ノイズを考えると露出時間を短くしておく方が有利か。

設定を抑え、後の演算のダイナミックレンジを確保するためにRAWまたはRAW+JPEGの最大分解能で撮る。


放物面反射鏡のコマ収差

 我が反射鏡はR=25㎝、f=120cmの放物面鏡。中心部の画像しか使わないものでも周辺に変なのが写っていると気になる。 美しさを追求する場合はなおさらである。素直にコマコレクターに頼ることとした。Baader PlanetariumのMPCC-VIO(撮影および眼視両用)に投資することで解決する。


合焦

闇夜での望遠鏡やデジカメの合焦は困難を極める。

デジカメのズームレンズの場合:ファインダーを覗いても星が見えない。日中明るい時に無限遠の位置をズームの広角側と望遠側の2点だけ、手動で合わせてしるしをつけておくことで何とかしのぐ方法、1等星に向けオートで合焦し手動に切り替えその状態を保って目標に向け撮影する方法がある。

反射鏡の場合:デジカメのスクリーンの拡大表示を見ながら、点星像がゆらゆら揺れる中合わせる。 1等星に向けたときは、鏡筒の先端あたりにある斜鏡の支えの影の影響だと思いますが、ダブルの十字の輝線が出るので、これが一つの十字線になるように合わせ、その状態を保ち目標に向け撮影する。 この合焦では、眼視による目標設定と合焦とで、アイピースとデジカメの交換をしていくので、両者同一点で合焦するような組み合わせがあれば理想であるが、前出のBaader PlanetariumのMPCC-VIOと反射鏡の付属パーツの組み合わせで支障のない組み合わせができた(直焦点撮影の場合)。


以上の考察から、現在の撮影方針

北極星で極軸合わせの赤道義追尾、明るい星で十字線合焦、露出時間は120秒以下、ミラーアップしてタイマー利用でベランダから退去。4枚以上撮影、ダークフレームを忘れるな。

 

未決

周辺減光補正の簡単なやり方、自在にフラットフレームを作る方法。

画像処理の最適プロセス。今のやり方:

Canon Digital Photo Professionalで前処理(夜空の明かり処理と明るいところの抑え)

ー>DeepSkyStacker(ダークフレーム減算、加算処理(加算枚数で除算してないみたい)、明るさ調整

ー>周辺減光補正

ー>その他トリミングなど 

これでよいか?

 

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