2012金環日蝕の最近のブログ記事

 金環日食連続写真にしてみた

 金環日食のフィルターを通して撮影した画像から連続写真風にできないか合成してみた。
 曇り空で雲を通しての撮影、厚い雲で隠れてしまい時々現れる悪条件下で集めた画像から、等時間間隔で、ある程度まともに映っていいる画像の組み合わせでそれらしき合成でできたものがこれです。

eclipse-4seq-4rt.jpg 金環を中心に、5分間隔の画像を比較明コンポジットで合成した。 3分や4分間隔だと金環の前後で雲隠れの画像が入りやむなくこれでが我慢。 15分間の金環の移動です。

 合成ついでに雲を載せてみるとこんなになった。

eclipse-cloud.jpg
 単純に上の画像と「その3」で使った雲空画像を比較明コンポジットしただけです。 
雲が動いてなくて、太陽と月だけが動いて全くリアルではないんですが、実際は太陽はこの雲でもまだまだ眩しく見えたり見えなかったりです。 しかしまぐれで、雲の濃いところ、薄いところにうまく金環の画像にも雲が乗っていて、出来上がりもそれらしく見えてます。 眩しさを除けば当日の雰囲気だけは出ていて、これを見ると「こんなだったな」と、思い出させる画像です。


 金環日食撮影の顛末の記 その3
 金環日食撮影の顛末の記 その2
 金環日食撮影の顛末の記
 金環日食撮影準備

 雲から透けて見えた幻想的な金環日食
曇り空から見えた金環の太陽は幻想的で神秘的てあった。 この姿を再現できないだろうか。
再現してみた。
素材はその時撮ったフィルター無しの曇り空、これはカメラのディプレイに導入できない太陽を雲から現れない雲空に向かってたまたま撮りまくった画像の一枚と、フィルターを付けて淡々とシャッターを切って撮った美しい金環の太陽の2枚。
 これをコンポジットのできるフリーソフト、SiriusCompKikuchiMagickを使わせていただいた、それにレタッチ、ブラシできるAVS Photo Editor(有料)を使って、素人丸出しの合成画像を作った。

 出来上がりの画像がこれです。

eclipse lc-mod.jpg2012年5月21日撮影、場所東京都
キヤノンEOSkissX4 135mmズーム、SILK三脚、金環の部分はMARUMIフィルターND100000使用、f=8、ISO=400、t=1/100、雲の部分はフィルター無しでt=1/1000
比較明コンポジット、レタッチ・ブラシ処理


 いかがでしょうか。
 まず曇り空画像とフィルターを通した金環太陽の合成、コンポジットに比較明合成と比較暗合成とがあるらしいのですが、どうやら比較明合成をするとそられしいのができましたが、雲の上に金環がぺったり乗っていて、雲の向こう側にある感じが無い。 コンポジットのアルゴリズムが分かってやっているわけではないので、いろいろここ見たがお手上げ。

 そこでかつて大安売りで購入したお買い得ソフトAVS、その中にAVS Photo Editorがあった。
素人丸出しのレタッチですが、何とか金環を雲の向こうに、雲を通して金環が幻想的に見えてきました。 ある程度太陽の光が雲にあたって比較的近くは雲が明るく見えていないでしょうか。

 部分蝕の時は太陽の光は強烈で、かなり広範囲に光が雲に当たり、一帯が白くその中にさらに白く太陽が見えるのですが、金環となって光がだいぶ弱められ、雲にあたる光もそれほど強くなく、金環の周囲だけが白くにじんで、一部がさらに厚い雲で金環が切れそうになる姿など、結構リアルみ見えませんか。


 金環日食撮影の顛末の記
 金環日食撮影の顛末の記 その2

 
 

 ベイリービーズは写っているか?

 東京での撮影は曇り空を通して機材も135㎜のズームレンズで、しかも濃厚のD5フィルタ1枚だけの困難な条件であったが、金環と第3接触付近は撮影できた
 撮影した数ある画像の中に果たしてベイリービーズなるものが写っているだろうか。 探してみた。
 
 第2接触付近の画像を見てみた。 分厚い雲で太陽の影も映ってなかった。
 第3接触付近で探してみた。 最有力候補はこの2枚。 カメラの時計で7時45分40秒前後、連写なのでカメラ内のデータからは同じ時刻で写ってるのは3枚で、このうちの連続した2枚です。 時刻はカメラ時間なのでくるっていると思う。 あまり厳格に見ないでくださいね。

2012-05 eclipse 107.jpg  2012-05 eclipse 108.jpg 
   
   
 RAW画像を使用。 キヤノンのDigital Photo Professionalを使って中心部だけトリミング、我流ですが主にピクチャースタイル、明るさ、コントラストの調整をしてそれらしく仕上げてみる。

 結果はこれです。

 2012-05 eclipse 107t-ps-t.jpg 2012-05 eclipse 108t-ps-t.jpg

 下の方が時間的に後です。画像処理の条件が一致させられなくて少し明暗シャープネスなど違ってしまいました。
 単なるノイズではなく、なんとなく同じようにビーズが出ていませんか?
                                            

 ところで、リングの月に隠れた右側のあたり、この画像ではわかりずらいのですが、赤く出てるんです。 これ、プロミネンスの痕跡なんですかね? 元の画像は赤くなっています。

 機材は、SLIKの三脚、キヤノンEOSkissX4、135㎜ズーム。
 撮影条件はND100000フィルター使用、シャッタースピード1/100、ISO400、f-=8、プリセットマニュアルフォーカスです。


  
 金環日食撮影準備
 金環日食撮影の顛末の記












 撮影準備は用意周到怠りなく、最後の難関は天候と目覚まし。
 5時に起床できた。 
 天候の方は一時期待させる報道であったが、いざ定刻となると分厚い雲が一面を覆う。
 前日の予行演習で位置合わせの強力なツールを作成し、写真の通りのいでたちの機材で臨んだ。太陽光遮蔽板、よく見えないがタイマー、時刻確認の携帯電話がSLIKの三脚にぶら下がっている。あとキヤノンEOSkissX4、135㎜ズーム、ND100000フィルター。 それに裸眼での太陽観察プレート。 これ快晴の時には最高の装備。 曇りの時の準備が少し甘かったかな。

img 5857.jpg カメラで太陽さえとらえればあとは設計通りに進行する。7時11分にカメラ画面の左下に太陽を合わせ、30秒おきのシャッターをスタートさせる。ISO400、f-8、シャッタースピードは1/100で落ち着きこれで固定した。適正スピードを出すのに少し手間取った。 ズームは最大の135mm。

 経過と結果
 第1接触から第2接触までは厚い雲でほとんど撮影できなかった。 第2あたりから以降は途切れることはあったが、雲を通してカメラには映った。
 カメラに映ったリングよりも、薄いフィルターで、厚い雲に隠れながら透けて見えるリングの姿は幻想的でかえって良かったようだ。

2012-05 eclipse ring rt (2).jpgリングになった時


2012-05 eclipse 3rd rt (1).jpg第3接触の時

 例の月の山による光のチェインなるものは映ってない(ベイリービーズと言うらしい)。雲を通しては無理か、135㎜では無理か。

 真同心円や第3接触のものより、そのあとの三日月様(よう)より大きく光の部分が回り込んだ姿が優美に思える。

2012-05 eclipse 3rdafter rt.jpg
 後で指摘された金環日食の後遺症:顔の日焼け。 


 連続撮影風の合成は適当なソフトが見つかってからにする。

 金環日食撮影準備








金環日食撮影準備

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 いよいよ近づきました、5月21日金環日食。

 目標は蝕の連続写真。 太陽が欠けていく姿を連続で1枚の写真に写したやつ、あれです。 余談で日蝕は常用漢字に無いので日食と書くらしい。 「食の連続写真」だと意味不明なので、「蝕の連続写真」と書かせてくださいね。

 現有機材は、デジカメ(キヤノンEOS KissX4) 18-135mmズームレンズ やや頑丈な三脚 中国製タイマー。
 新規購入品は、マルミ77㎜D5フィルター ケンコー67->77㎜アダプター 観察プレート(ノートの下敷きのようなもの) それと解説した雑誌2冊。

2012-04 eclipse-prep 006.jpg はじめ馴染みの天文機材ショップで教えを乞おうと尋ねたところ、「まずこんなのを読んだら」と雑誌を持ってきた。 愚問だった。 雑誌2冊を購入し作戦を練った。

 撮影地: 心当たりのある見晴らしの良いさる場所。 都心のランドマークを入れながら撮れれば最高なのだが、諸般の理由であきらめて、殺風景な太陽だけ。 あとから風景を付け足すかなと。 
 撮影: リングと連続写真に集中する。 よって、しっかりと三脚で蝕の中心点と思われる方向にカメラを向け固定する。 はみ出したら動かす。 金環の時に一度中心に持っていくのが現実的か。
雑誌の解説から、ISO100、1/1000秒、f=8。 蝕の状態で動かさない。 Raw+jpegで撮影。 手振れ防止OFF、マニュアルフォーカス。
 予めライブビューで望遠側の合焦点をマークしておいてそこに合わせて撮影する。

 画像処理: 画像を素直につなげる。 フリーソフトを探しておく。

 ここでためし撮り。 135㎜ ISO100 1/1000秒 f=8  MF 手振れ防止OFF 中央部トリミングしたもの。

2012-04 sun-trial 007t.jpg 拡大すると下の方に黒点が写っていた。
 この条件でリングだけになったとき、周辺部やや暗く写るようだが、念のため1/500で写してもよし、RAWで写してあとから処理で補正してもよし。

 あとは、えーと、起床時刻は? 東京の撮影候補地で蝕が始まるのが6時19分00秒だから、遅くとも5時半に起床し体制を整える。 蝕の最大時刻は7時34分12秒。 孫にこのあたりの時刻をよく知られておかなければと。 マンションのその階でみられるかな? 金環の時の方角と仰角は? 方角はまだわからない。 仰角35度ぐらいか(1メートル行って75センチの高さ)?。

 

 ここで登場したのが現在月8円で使用中のマイナーなスマートフォン、そこに以前購入したStella Theaterソフト。 これがなかなかの優れもの。 

 観測地と5月21日の時刻を合わせていくと、太陽が欠けていく様子が出てくる。 まず方角、ちょうど金環にある時刻では真東からほんの3度程度北に振れたあたり。 仰角はというと、これも目盛から34度程度だというのが分かった。 これで現場下見をする。

 使用予定のズームレンズの望遠側で使用する予定なので、135㎜でのAPS-Cの画角は水平側15.2/1.6=9.5度、垂直側10.2/1.6=6.4度。 太陽の軌跡から水平垂直を変えて縦長に使用すると、30分で垂直方面に7度移動、水平方向に5度程度移動なので、おおよそ15分前に画面の左下に太陽を持ってきて、順次シャッターを押せば、定刻に画面の中央あたりで金環になりそうである。 これでいこう! 再計算の結果、ギリギリのところ9.5°移動で44分、44分で水平5°程度移動なので、7:11頃下の端、コーナーより20%程度内側に太陽を持ってくる。

 再計算はStella Theaterのあと、雑誌の解説書の付録についていた「エクリプスナビゲータ2012」で再確認した。

7時11分にカメラ画面の左下に太陽を合わせる


 シャッターは少し多めに60秒間隔にしよう。

 ところで、太陽の角直径は30秒(0.5°)らしい。 これは移動時間にすると、60分で15°だから4分で1°、0.5°で2分。 60秒おきとは、太陽がひとつ動いたときに2枚シャッターを切ることになる。 ハイライトで30分15枚。 角度の秒と、時間の秒と混乱しそうです。

 前日バッテリーをフル充電しておくことを忘れないように。


 追記 5月20日前日準備

 カメラで太陽位置を合わせるとき、ミラーアップでシャッタースピードを遅く設定しておくと、モニター画面に明るく映るので、明るい環境で合わせやすい(その後シャッタースピードを元に戻すのを忘れないこと)。

 また、モニター画面の手垢油汚れを良く落としておくこと。さらにズームレンズ先端に段ボール紙で太陽光遮蔽板を作った。これがなかなか快適な環境ができる。

 シャッタースピードは曇り状況に合わせ1/500-1/250秒にする。 ミラーアップモードにせずに、シャッターモードは連続撮影にして機動性を高めておく。

 曇り予想だが、最後に寝坊しないように目覚ましをセット。

 

 

 まとめ 

カメラを縦にし7時11分頃画面左下コーナーから20%程度右に太陽を位置合わせし、このタイミングで30秒おきのタイマーシャッターをスタートさせる。 

 ためし撮りで、タイマーの途中でシャッターをリモートタイマーでインタラプトをかけシャッターを切ることができることが確認できた。 よって、

 第2接触から第3接触までの7時31分から37分にかけて随時インタラプトシャッターを切る。

 

 ズームの広角側ではどうか。 画角は水平側66度、垂直側46度。 欠け始めから終了までの140分で移動する角度は、おおよそ仰角で47度ー19度=28度、横方向へはー8度ー5度=13度。 これだと、カメラを横にしても初めから最後までたっぷり入る。

 28度、13度に相当する焦点距離は垂直で28㎜、35-50㎜、 水平では、35-55㎜、100㎜ 太陽の像はきわめて小さくなりこの構図は不採用。

 
  最後の問題点は当日のお天気。 統計的に5月21日の「晴れ」の出現率は63.3%だそうです。
「雨」は23.3%、「くもり」は13.3%。

 目標の画像、こんなの取れたらいいな。


 金環日食撮影の顛末の記