超都心で星空撮影の最近のブログ記事

 古い画像ですが超都心でもこれだけ撮れるのまとめ。

 DeepSkyStackerのすごいところを表現してみた。

 f=250mmレンズのデジカメで撮った画像をDeepSkyStackerする。 出来上がりの細部を見るため面積で1/4にトリミングする。

 結果はこれです。

2013-01-m42-20130101-041-tr.jpg

EOSKissX6、EFS55mm-250mmの250mm、iso=1600、露出=10sec、絞り=8.0
面積で1/4にトリミング

 上の画像画像処理前のものです。 明るい超都心でも年末年始には空が多少暗くなりこの程度撮れます。

 生画像8枚をDeepSkyStackerすると下のようになります。

m42-20130101-250mm10s1600-dstr2.jpg

 威力は甚大ですね。

 2014年2月5日、月齢5日で寒気が入って夜空は澄んでいます。 オリオン座の上の辺りにあるばら星雲が超都心でも赤く捉えられるか探ってみました。 ナノトラッカーに代わりポラリエが初登場します。

 都心のマンションですから、西の空に来ないと見えないので、夜11時頃からの撮影です。 使用機材は、ポラリエ、EOSKissX4新改造、40mmパンケーキレンズ、AstronomikのCLSフィルターで、今回はCLSフィルターの有無の効果をみました。 カメラはベテルギウスを目印に構えます。

 結果は、CLSフィルター付きで赤く写りました。

20140205-orion-rosette-md.jpg2014年2月5日23:24より超都心にて撮影 EOSKissX4新改造 40㎜パンケーキレンズ CLSフィルター f/5.6  30秒露出 40コマをdeepskystacker処理

 下の左の方にオリオン星雲と三ツ星が写っていて、中央右に明るいベテルギウスが写っています。ばら星雲はこのオリオン座から辿るのが分かりやすいんではないかと思うんですが、双眼鏡でオリオンの顔の所からベテルギウスの先の方に、あるいはベテルギウスから冬の大三角形のプロキオン方面に1/3ぐらいまで、5等星ぐらいの星を2つぐらい辿って、3つ目の一角獣座のε4等星に行きつけば、その先の5等星がいくつかかたまって見えるあたりがばら星雲のはずです。

 画像の矢印の所がやや赤みがかって見えます。 拡大して見ると5等星を含む星が6つぐらい2列に並んでいるように見えます。

 ↓は昨年2013年2月11日に撮ったものです。

ori-gem1-40mcls0211ftbidstcmod.jpg

2013年2月11日23:19より超都心にて撮影 EOSKissX4新改造 40㎜パンケーキレンズ CLSフィルター f/2.8 5秒露出 60コマをdeepskystacker処理

  左の矢印の所がばら星雲で、右の矢印の所がモンキー星雲も写っていました。

 実質の露出条件は同じですが、ばら星雲の赤い発色の程度はいい様です。 2013年2月11日は3連休の休日で新月から1日目で条件がかなり良かったようで、それが正直に出て いるんですね。 

      ori-gem1-40mcls0211ftbidstctr11.jpg  ori-gem1-40mcls0211ftbidstctr22.jpg

 適当に拡大して、左がばら、右がモンキー、赤く見えますね。 今度条件のいい所で巨砲で撮ってみたいですね。

 CLSフィルター無しでは、全く赤い色には写りませんでした。 光害カットの効果はありました。  EFレンズはまだひとつしか持ってないんですが、EOSKissX4とEOS clip CLSフィルターの組み合わせはいい様です。  

 ついでに、一番上の画像を拡大して見ると認められるのですが、三ツ星の左の星の周辺に、うっすらと散光星雲NGC2024も写っています。

備忘録
ばら星雲: 一角獣座 NGC2237 散光星雲、中の散開星団はNGC2244 5000光年先にある。
モンキー星雲: オリオン座 NGC2174 散光星雲 中の散開星団はNGC2175  6400光年先にある。

 超都心の夜空から宝探しをしてみよう。 あれい星雲がカメラに映るのか?

 2013年11月20日 西の夜空に向けて、わし座のα星のアルタイルと白鳥座の口ばしアルビレオの間を55㎜レンズで撮った。 そこはや座という小さな星座が矢じりを上に向けてあるんですが、矢じりの辺りから白鳥座方面に向かうと、白鳥座から見てWの字に見える5等星の並びがあって、その真ん中の星のすぐ近く、や座側にあれい星雲M27があるはずなんです。

 カメラに画像を収めてあれい星雲まで辿ってみた。 撮影はEOSkissX4 55ミリレンズでISO400 10秒 50枚です。

20131120-arrow-tcmod1.jpg 丸印のその場所を拡大すると、

20131120-arrowtr2mod2.jpg 影だけです (・_・;) ですが、影は映ってます。

 見えない夜空に望遠レンズを向けるのはさすがに無理というもの。 55㎜で妥協してアルタイルを画面右下に据えて撮ります。 あとは拡大して見るしかない。

 闇夜のかげろうのようにしか写らないで、面白くもなんともない。

 超都心からアンドロメダ銀河がどこまで見えるか、ベランダは西向きなので冬場が観察や撮影のタイミングです。 新月になる年末年始が絶好の機会です。

1.2013年11月20日、満月から2日後の月夜ですが、23時過ぎあたりに手始めに、アンドロメダを狙ってみた。

 都心ですから、四辺形の星が目を凝らして、辛うじて見える程度です。 西向きのベランダのひさしから、ベガススのマルカブが降りてきて、順次シェアト、アルゲニブ、そしてアンドロメダのアルフェラッツが現れてきます。

 アンドロメダ銀河は、10倍x28㎜Φ の双眼鏡を使って、アルフェラッツからミラクにたどり、そこから右へアンドロメダ銀河までたどるルートで見つけます。 

  アルフェラッツは秋の四辺形のひとつで、この時刻では西の空の天頂側にありアンドロメダ座の2等星のα星です。 ここから上に辿って、やはり2等星のβ星 ミラクに辿ります。 超都心ではこの二つが辛うじて見えます。 後は双眼鏡の力を借りてミラク→μ星→ν星→アンドロメダ銀河と辿ります。かすかな何か影のようなものが感じ られたら、それがアンドロメダ銀河です。 ただし、どこにあるか分かってないと、都心からはまず見えません ((+_+)) 

 ステラナビv9によると、55㎜レンズでアルフェラッツを画面左下に据えると、アンドロメダ銀河が入ることが分かります。

 写りました! 一コマあたりの露出時間を13秒にしましたがもう一段程度は長く出来そうでしたが、これで50枚ものコマをDeepSkyStaker、DigitalPhotoProfessionaで強調したものです。 

20131121-andromeda-tcmod1.jpg  2013年11月20日23:01より、超都心マンションベランダで撮影 ナノトラッカー、EOSKissX4新改造、EFS18-55mmの55㎜側で、f=5.6、iso400、露出13s 50コマをDeepSkyStacker、 ダーク画像使用。 DPPでトーンカーブ補正。

 アンドロメダ銀河の所を切り出してみたのがこの画像です。

20131121-andromeda-tctr.jpg なんとなく斜めに伸びた広がりが感じられ、右下の辺り、これもかすかに暗黒の筋があるように見えます。 山奥では画面いっぱいに広がるはずなんですが、今日はこれが限界です。

 年末年始にかけては、排気ガスの曇りがはれ、都心の光もかなり落とされ、新月となり、今日よりも3段階ぐらい改善した画像が得られるかもしれない。 それにCCDカメラを加えるとかなり期待できそうかな。

 今日は小手調べで、単に、「影が写った」レベルでした。 

250mmレンズで照準を合わせるには

 都心のアンドロメダは全く目視出来ない。 辛うじてミラクが確認できる。こんなところで250mm(55-250mmズームレンズの場合)照準を合わせるにはどうしたらよいか。 双眼鏡を頼りに何度もやってみたが、この方法はギブアップ。 少しでも見える感じなら何とかなるんだが、、

 工夫してたどり着いた方法は、初め55mmでミラクを頼りに画面に入れ、中央に微調したのち、250mmにズームする。 この時、合焦はすぐ近くのνニュー星(青い星)をライブビューで行う。 合焦の後、微調で構図を整える。 こんなところでどうだろうか。

2014年1月4日 250mmレンズで再挑戦

 55mmでトリミングではなく、250mmで撮ってみた。 条件はやや良く、f/5.6、iso1600、露出8秒 で11月20日より良い。 が、30コマなので同じかな。

20140104-andromeda-dstc.jpg 大して違いは無いですね。 右側の伴銀河M110はこちらの方が出ています。

 参考までに、カラーCCDカメラで撮ったやつを載せておきます。 比較のために、同じ程度の画角に切り取ってみたんですが、荒っぽく、フラットの補正もなく、元画像は機材部品不適合でレンズのケラレも出て見られたもんじゃない。 30秒X30コマの積算で900秒と、より長く露出に耐えて、より浮き出ていることだけは分かりました。

M31t&a30x30tr.jpg

 CCDの方はまだ未熟なのでこんなところまでしかできません。 

 このあたりが都心での限界ですかね。

 それらしき日に超都心で撮影した西空の画像の中から、パンスターズ彗星を探してみた。

 いくら目を凝らしても、双眼鏡を駆使しても見つけられなかったパンスターズ、微かに光跡が見えてもそれは遠方の飛行機雲の反射だったりして紛らわしいのも多いのですが、それはここ、強力な武器ステラナビv9がある。可能性のあった3月16日の西空メクラ撃ち撮影の中から、可能性のありそうな1枚を候補に選んだ。

2013-0316-panstarrs-014.jpg

撮影場所は超都心 時刻は3月16日18時42分 EOSkisssX4新改造  40mmパンケーキレンズf/2.8 iso/1600 2秒 光害カットフィルター使用してるので青く写っている 

 時刻はカメラ時間で18時42分。この画像の上に、新月から4日目の月が出ていて、さらにその上の方に木星が明るく光っていました。 まだかなり明るい西の空の画像の上の方に、横に並んでいくつかの星が拡大すると出てくる。 ステラナビによると、うお座の方角、星座線がたどれる。ステラナビと同じ星が画像の中に認められるではないか。

panstarrs-navi.jpg

 ステラナビもパンスターズ彗星を入れて同時刻に合わせる。ステラナビと画像を比較しながら、画像に写る星の位置を確認した。

2013-0316-panstarrs-014mod2.jpg

 黒く囲った丸の中に星が認められる。線をたどりパンスターズ彗星の位置を特定する。光跡があるではないか。2重丸で囲ってみる。 

 これぞまさしく飛行機の光跡ではなく、超都心でとらえたパンスターズの痕跡。 わかりやすくトリミングしたのがこれ↓です。

2013-0316-panstarrs-014tr.jpg

 中央にうっすらと見えるのがそれです。贔屓目に見ると、なんとなくぼやけていて、再び贔屓目に、そうだと信じながら見ると、上の方、やや左に向かってうっすらと白っぽくぼけて写っている気がしませんか。無理に認めていただかなくてもいいんですが、信じていると、やや満足感が出てくるんですね。 電子の目はすごい。

 同じようにして探し出したもうひとつのパンスターズ、前日の3月15日のしかも同じ時間帯18時41分ごろの画像から、これは露出時間1秒のものを状態のいいやつを6枚選んで、DigitalPhotoProfessionalで加算平均したものを、同じ位置でトリミングしたものです。前日ですから、パンスターズは左側にきています。 彗星に合わせて重ねたのでアンテナがぼけてます。

2013-0315-panstarrs-6avetr.jpg

 中央から左の方に、左端から1/6あたりのところ、総露出時間が6秒だけあって、こちらの方が気持ちだけ姿を現わしているようにも見えます。 気のせいかな?

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 ここで気が付いてしまったのですが、一番上の画像はやけに周辺減光がある。よくよく調べてみると、カメラにレンズデータが入ってなかった(・_・;)

 EOS Utilityソフトのメイン画面の所から、「カメラの設定/リモート撮影」で、「周辺光量補正」からデータをカメラに取り込んだ。 参考までにその画像を載せておきます。 

2013-0316-panstaerrs-012-1.jpg

 並べてみれば一目瞭然、補正してあるときれいですね。